2017年2月19日(日)「高齢者とペット」にてお預かりした質問と回答

      2018/07/28

先日ご報告いたしました、

2月19日(日)「高齢者とペット」イベントにてでた参加者の方々からの 質問と

倉田美幸講師の回答を記載させていただきます。

 

Q.

地域ケア会議に参加するには、どのようなことをしたら良いですか。

A.

どんなこと(活動や仕事)をしているのか、どんなお手伝いが出来るかを文書化して資料などと共に 地域包括支援センター社会福祉協議会に、ご提示してみてください。

 

Q.

地域ケア会議の回数、地域ケア会議のメンバー、 地域内で支援を必要とする人を会議のテーブルに乗せる為の具体的な方法とは?

A.

地域包括ケア会議とは、高齢者の方が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、 支援と社会基盤の整備を同時に行うことを実現する手法が地域包括ケア会議です。

課題について多職種が連携協働して解決を図り支援します。 課題ごとに、開催される会議回数やメンバーも異なり、様々な(個人から市町村を越えた)レベルで検討が図られます。

参加メンバーは、地域包括支援センターが医師などの専門職種や自治体職員、隣近所の住民、スーパーの店長、ボランティアなどを招集します。 支援の必要な高齢者については、地域包括支援センターに相談をお願いします。

 

Q.

地域が「高齢者とペット」を支えているモデルケースはありますか?

ペットを飼っていない方にとっては、高齢者とペットの問題はひとごとになってしまっているのですが、 どうしたらそういった人達に関心をもってもらえるのでしょうか…。

A.

猫屋敷になってしまい、ご近所トラブルになっていたケースで、近隣の方々によるTNR活動が行われ、高齢者本人との関係も 改善したというケースなどがあります。

ただ全てが同じ結果になるとは言えません。 高齢者一人一人について、本人の心身の状態や環境、ペットとの関わりを知り、ベストな支援は何かをチームで考え、 改善しながら継続して支援をすることが大切です。 トラブルになる前に、地道にコツコツ伝えて行くしかないのです。自らどんどん情報を発信していきましょう。

 

Q.

老化防止対策を図ることが大切と思う。

A.

人だけでなく、ペットにとっても、身体の老化防止と共に心の健康を維持することも大切です。

 

Q.

自治会長をしています。高齢者(独居)に係わる地域の取り組みは具体的に「声かけ」ぐらいしか思いつきませんが その他に具体的な行動はありますか。

A.

声掛けは大事な第一歩です。

具体的な声掛け(例えば、ゴミ捨ては大丈夫ですか?電球交換しましょうか?など)をして 信頼関係が深くなれば、どんな支援が必要か明確になると思います。

自治会長さんであれば、自治会として何が必要か見つめることも出来ますので頼もしく思います。 中には自主支援組織を実施している自治会もあります。是非自治会会員の皆さんに呼び掛けて頂けると良いなと思います。

 

Q.

民間事業はサービスとは具体的にどんなものがあるのか? ペットの預け先、老犬ホーム、一緒に入れる施設などは高額で入れないという回答が多い。ペットが取り残される場合、近所付き合いなどがうまくいってなく、助けてくれる人が少ない。 自分が時間を作るにも、日々となるとなかなか難しくどうアドバイスしていいものか?

A.

介護保険適用以外のサービス(犬の散歩や餌などの買い物代行)を自費で請け負っているヘルパーステーションがあったり、 ペットシッターさんも増えています。

ペットの性格などを支援者が知っておくだけでも、万一ペットが取り残されても、新しい飼い主さんが早めに探せるのではないでしょうか。 ネットワーク作りに協力することも支援となります。

 

Q.

高齢者が施設等へ入居する場合、ペットホテル等を紹介してくれるサービスはあるのか?

A.

紹介業として行っている所も最近はあるようです。

他に、どうぶつ病院やペットショップなどがホテルを行っていたり、他の業者のチラシを置いていたりします。 予めご自身でインターネットで検索したり、情報収集しておくのが良いと思います。

 

Q.

これからペットを飼い始めたいという高齢者がいた場合、どのような対応が考えられますか?

A.

■専門家として

まず、どうしてペットを飼いたいのかをよく聞き取り、心理的な部分を理解し、身体の状態や環境を知る必要があります。ペットに対する責任と義務についてお伝えし、理解し遵守してもらうことが出来るかを考えていただき、環境を確認。

家族の了解や、万一の場合、引き取ってくれる人はいるのか、飼養に掛かる費用は確保できているのかなどを一緒に考えると共に、家族や関係者と共に支援体制が取れるかを具体的に検討します。

■地域住民として

その高齢者の気持ちを聞いてあげてください。否定しないで傾聴して高齢者が孤立化しないように見守ってください。そして専門家に相談して、一緒に可能な支援をしてください。

 

Q.

65歳以上になってからペットを迎える場合、犬と猫どちらが良い?

A.

どちらにも良い面と気を付けなくてはならない面があります。 きちんと、犬猫の特性を知った上で飼い主さんが置かれる環境も考慮する必要があります。

 

Q.

人からみてペットと暮らすメリットのお話しが多かったと思います。 適正飼養がされなかったり、ペットから見たら幸せではないのかな?と感じます。 私自身シッターをしていますが、何をどうするのが良いのでしょうか。

A.

ペットが高齢者と暮らすことで、ほぼ一日中一緒の時間を過ごすことが出来ます。

高齢者のゆったりした動きや、話し方はペットに落ち着きや安らぎを与えるという面もあります。 高齢なため適正飼養がなされていないと感じたら、その方を支える専門職の方々と連携して、必要な支援をして行くことが大切です。 シッターさんとして、ご自身がお手伝い出来ることを明確にして、地域包括支援センターに相談するなどしてみては如何でしょうか。

 

 

Q.

動物の平均寿命が長くなってきた要因は?医療の発達?社会ニーズに伴うサービスの向上?自然サイクルに反しているようで、動物には負担大では?

(以前飼っていた犬で病気が悪化して獣医に「安楽死」を勧められ、苦しい様子を見るにみかねて、提案を受け入れてしまったことがあります。)

A.

獣医療の発達や変化(高度医療センターや分科)、ワクチンや予防薬、飼育環境や食餌の変化、ペットの健康維持に対する飼い主さんの 知識と取り組み方などが考えられます。ペットのことを熟知して正しい飼い方が出来ることがペットにとっても幸せな生涯になるのではないでしょうか。 獣医さんは出来る限りの提案をしてくれますが、ペットに関しては治療方針や治療方法など最終決断は飼い主自身がしなくてはならないところが辛いところですね。 声を出して意思表示できないペットの気持ちをちゃんと読んであげられるのも飼い主さんだけです。

直後は苦しい思いをされたことと思いますが、ちゃんとその時は愛犬の気持ちや身体の状態、飼い主さん自身の心にも問いかけての決断だったのではないでしょうか。

 

Q.

ペットショップ(動物の売り買い)を無くすことはできないのか? 殺処分されている頭数を考えると、全て譲渡する形はできないのか?

A.

法の規制や取り締まりの強化で改善を見込めることもあるとは思いますが、今現在の犬猫の殺処分数を考えるだけでなく、 将来的なことも見据えての形作りをしないと、別の問題が必ず発生するように思えます。それは犬猫だけにとどまりません。

保護犬の譲渡も行っているペットショップもありますし、行政とペット関連事業者、保護団体、動物愛護推進員など 関係者が連携して取り組まなくてはならないと思います。

 

Q.

「飼育支援を開始する」うえで、個人情報の壁が立ちはだかり、困難と考えます。どのように考えますか?

A.

個人で支援する場合には困難なことと思います。ですのできちんとルールに従って支援できるように、地域包括ケアシステムの一員として 支援に加わっていただき、チームでケアしてほしいと望みます。

 

Q.

上級愛玩動物飼養管理士という資格取得は大変ですか?

A.

通信教育とスクーリングにより、2級→1級と取得していただき、愛玩動物飼養管理士として活動。 活動実績を積んで上級にエントリーし審査となります。

詳しくは公益社団法人日本愛玩動物協会のホームページをご覧ください。

公益社団法人日本愛玩動物協会

改めて倉田美幸様、温かく細やかなご回答、本当にありがとうございました。

 

ぜひ皆さんも今後の生活の場でも意識して周囲を見てみてください。

地域のひとりひとりの力がより良い社会、環境につながるよう、心がけていければと感じました。

私たち、動物との共生社会を目指す会 Vest. も、どんどん情報発信をしていきたいと思っています。

これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

 

Vest.一同

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